先日、5歳の孫が2階に上がってきて、こんなことを言ったんです。
「階段の下までコーヒーの匂いが聞こえてきたよ」
…え?匂いが聞こえる?
言い間違いだって分かっているんだけど、その言葉がなんだか妙に心に響いたんです。
普通なら「匂いがする」とか言うところを「聞こえる」って表現するなんて、まるで詩の一節みたいじゃありませんか。
5歳の言葉の魔法
子どもの言葉って、本当に不思議な力がありますよね。
私たち大人が思いつかないような表現を、自然にポロッと言ってのける。
その無意識のクリエイティビティに驚かされる瞬間が多々あります。
「匂いが聞こえる」って表現なんて、まさにその一例。
香りが漂ってくる感覚を、孫なりに一生懸命伝えようとした結果がこの言葉だったんでしょうね。
あのコーヒーが淹れたてのときに立ち上る香り、静かな部屋でゆっくりと広がる感じ。
それを音として感じられたらどんなだろう、と想像するだけでちょっと楽しくなってきます。
子どもの感性に学ぶ
大人になると、「匂いは嗅ぐもの」「音は聞くもの」って固定観念にとらわれがち。
でも、子どもの感性はもっと自由で柔らかい。
彼らの世界では、匂いが聞こえても、光が触れても、何の不思議もないんでしょうね。
孫の一言で、私も少し自由な発想を取り戻せた気がします。
次にコーヒーを淹れるとき、あの香りがどんな音になるのか、ちょっと耳を澄ませてみようかな。
大人には忘れがちな感性を思い出させてくれる子どもの言葉って、やっぱり素晴らしいですね。